日銀政策決定会合、ギリシャ選挙、FOMC、ユーロ・EU財務省会合
と続いたイベントは、結局大した変動もなく終わった。 ギリシャ選挙前盛り上がったIVも大きく低下、 callは2/14以前の17%程度まで落ちている。 「結局、振り出しに戻っただけか...」 しかし、2月と異なるのは、 ①日銀が動くようになったこと、 ②米中の景気減速懸念、 ③欧州情勢の変化、 ④企業業績見通しがやや明るいこと(為替変動あるが)、 であり、今後も材料に振られる展開には変わりない。 ただし、欧州では仏選挙の結果、 成長にも配慮した政策への調整につながり、 縮小均衡路線が避けられそうな予感はある。 日経平均のPBRは1以下で、BPS(1株当り純資産)は9300円程度だ。 人気のない日本株だが、実はBPSは徐々に上昇しており、 BPS以下となるのはリーマンショック後と、昨年後半と今回位しかない。 好材料が出るなら、一気に9000円台後半まで 突き抜ける可能性も、考える方が良いのだろう。 しかし、目先は米中景気見通しの悪さや南欧問題の不透明さから、 今年の夏場はせいぜい9000円台前半までと見ている。 更に消費税増税が企業業績に与える影響もありそうで、 日本株が外国株より、大きくアウトパフォームする可能性は低そうだ。 その日本株だが、水曜日の午後あたりから、 先物買いが断続的に入り、これと言った材料の無い中で、 スルスルと8800円台後半まで上昇してきた。 「月末のドレッシングだな...」 6月末は半期毎の評価に該当するファンドも多く、 対ベンチマークで微妙に負けていれば、 残りのキャッシュを使って上値を買いに来る。 日本株で言えばベンチマークのTOPIXに比べて勝つか負けるかで、 ファンドの評価がガラリと変わり、場合によっては資産を引き上げられ、 ファンドマネージャーの首が飛ぶ可能性もあるわけだ。 そのため、極端な言い方をすると、月末の株価は 立場のかかった真剣勝負(残金で買い上がるだけだが)となる。 大館から電話があった。 「イベントが無事終了したけど、IVは思いっきり落ちたねえ。 今は、取りたいポジションは残ってないよ。」 「そうだな。せいぜい6/18の寄付きで、組めたかどうかで決まったな。」 「こんなIVでPUTを売るようじゃ、どうしようもないしね。」 「9000円前後で膠着すると見て、7C900売りのカレンダー系か...」 「そうだね。米国株は13000を突き抜けそうにもないし、 今の状況でドル円が85円を目指すとも考えられない。」 「7月の追加緩和を織り込んで、9250円まで見ておくか。」 仲原の予想したとおり、日経平均は木曜日も予想以上の強さで、 特に買い材料もないまま、8900円近くまで上がってきた。 先週以降、低下傾向の続いたIVもさすがに上昇、 特にcall側の買戻しが先行したようだ。 ESで買い材料が出れば「一気に9000円まで行くのか...」と思われたが、 欧州時間にいきなりユーロ円が98円台に急落、 ネガティブ材料の出たバークレイズが暴落した。 首脳会議も、財政統合までは全く見えず、 市場にポジティブな材料は出そうにない。 「欧州は、まだまだ不安定だな...」 しかし、昨年からのユーロ圏国債利回りを眺めると、 イタリア、スペインは利回りが大きく上昇しているが、 他はポルトガルも含めて低下している。 以下は、10年国債利回りの比較。 国名 6/28 1年前 ドイツ 1.51 2.94% フィンランド1.87 3.16 オランダ 2.06 3.27 オーストリア 2.38 3.44 フランス 2.66 3.34 ベルギー 3.11 4.19 イタリア 6.17 4.92 スペイン 6.90 5.61 ポルトガル9.88 12.39 こうして見ると、金融機関やファンド勢による 国債間の売り買いのトレーディングに過ぎないとも思う。 独国債も1.5%まで落ちてきたが、ユーロでの資金運用となると 消去法で独国債になるので仕方がない。 年初だったか、欧州系ファンド運用者のコメントを読んだことがある。 「ユーロは破綻して、独国債も暴落してしまう!」 しかし、ECBによるQE2以上の規模ともいえる資金供給オペで、 国債価格は上昇(利回りは低下)することになった。 米国もそうだが、中央銀行が紙幣を大量に発行して、 自国の国債を買い続けることは、通貨暴落の危険性はあるものの、 そこさえクリアできれば、緊縮財政政策より格段の効果がある。 金融恐慌専門家のバーナンキには、至極当然の理屈なのだが、 日本の財務省、日銀は二の足を踏んでいる。 彼らも本当はやりたくないのだろうが、 米国・ユーロがいずれも大量の資金供給を実施する以上、 需給の面から円高となるのは確実なので、 やむなく国債買い金額を増やし続けているのだろう。 相場は、昨夜の円高と欧米市場下落で8800円を割り込んだものの、 本日は買い材料がないにもかかわらず、再度8850円まで上昇してきた。 「ドレッシングに過ぎないのだろうが...」 次週は、9000円越えがあるのだろうか。 <免責に関して> 当掲載内容には十分注意を払っておりますが、 内容の誤り及び情報に基づいて被ったいかなるトラブル、 損失、損害については、当方は一切の責任を負いません。 ご利用は、自己の責任において行われるものとし、 当方は一切の責任を負いません。 なお、掲載した情報は予告なく変更、中断、中止することがあります。 予めご了承ください。 にほんブログ村
by nkmrnkmr
| 2012-06-29 10:54
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