注目された先週末の米国雇用統計は、
新規就業者数16万人台と、予想以上の数値となった。 これを受けて相場は急伸、一段と戻りを試す展開となった。 懸念されたスペイン、イタリアも前日の急落を打ち消すほどの上昇、 スペイン10年債利回りも再度7%を割り込んだ。 「しかし、どこまで戻れるか...」 今週は8/8-9の日銀政策決定会合を控えていた。 大勢は追加緩和見送りだが、少なくなったETF金額枠拡大や 外債購入への期待も残るようだ。 そのためか、先物やcallの売り手は、警戒感も強いようだ。 それが現れたのが木曜日の急騰である。 安心感のあった8C90売りが、結構溜まっていたようで、 買戻しを余儀なくされた参加者も多かったらしい。 9C、10Cの外側のIVも、一時的に大きく反応していた。 夏場の閑散時には、値動きが軽くなるケースもある。 2008年夏、リーマン破綻の1ヶ月前だが、 相場は13000円前後で膠着していた。 動かないと見て、軽い気持ちでカバード・コールを作ったのだが、 2日後から相場は13500円付近まで上昇。 高値で切らされた記憶がある。 特に大きな買い材料はないのだが、 一時的な需給の振れや、便乗する短期筋もいたのだろう。 率にしてみると、13500/13000-1=3.85%。 今回の9000/8700=3.45%でも十分市場を驚かせたようだ。 日付 始値 高値 安値 終値 2008/8/4 13,083 13,114 12,910 12,933 2008/8/5 12,957 13,050 12,893 12,915 2008/8/6 13,059 13,296 13,049 13,255 2008/8/7 13,258 13,258 13,034 13,125 2008/8/8 13,027 13,260 12,963 13,168 2008/8/11 13,259 13,469 13,259 13,431 2008/8/12 13,398 13,420 13,276 13,304 2008/8/13 13,206 13,206 12,953 13,023 2008/8/14 12,943 13,091 12,927 12,957 2008/8/15 12,992 13,030 12,952 13,019 2008/8/18 12,971 13,270 12,934 13,165 2008/8/19 13,017 13,017 12,782 12,865 ただし、2008年夏は一時的に急騰した後に、 元の位置まで下げてきた。 その後の展開を考えると、最後の売り時となったようだ。 この2008年8月以降、既に4年が経過したが、 戻り高値は2010年春の11000円台前半でしかない。 「9000円付近も、売り時なのだろうか...」 米国VIX指数は15%前半まで落ちてきた。 決算発表は一巡したが、業績が上振れする銘柄は 限られているという状況だ。 少なくとも、米国株は上値を追う状況にはなさそうだ。 しかし、9月FOMCでのQE3への期待が、 株価を徐々に押し上げてきた。 また、ECB総裁の強気の姿勢が、欧州株やユーロ売り手の 買戻しを誘発させてきた。 大館に聞いてみると、 「気になるのは、日経の今期予想EPSが700円台後半から、 740円程度に落ちているんだ。」 「1Q決算では、失望売りも多かったからな。」 「今の為替水準が続くと、社内レートがドル円80円、 ユーロ円100円の会社は下方修正が確実だね。 更には、 ユーロ問題は解決しないよ。国債をECBやEMSで買い支えても、 今年のスペインのGDPはマイナスのままだね。」 「失業率は20%台で高止まりのままだろうな。 若年になると50%か、これもひどいな。」 「政権与党は、次の選挙で交代だろうね。 仏やギリシャのように、左翼が大躍進するんじゃないか。」 「そうなれば、また5月のように株安だろうな。」 「目先、株価は強そうだが、万一9500円を超えることがあれば、 9割方売ろうかと思っているよ。」 「俺も、バラ色の展開はないと見ているんだが... 市場関係者や個人投資家は、願望で動いているようだが。」 「目先は、その願望通りかもしれないね。 WTIも93ドルに上昇したきたし、 リスク指標の一つ豪ドル円も83円まで戻ってきた。」 「売った連中の買戻しだろうな。」 しかし、その一方で、米10年国債が1.5%割れから 1.7%まで上昇してきた。株買い・債券売りだろうが、 株高を伴う米金利上昇は、典型的なドル高要因である。 QE3期待がドルの上値を重くするのは確かだが、 目先はショートカバーも巻き込んで、 ドル円80円程度は想定すべきかもしれない。 「そうなれば、日経平均は9200円程度まで見ておくか...」 9C900売り絡みのスプレッドが数本残っているが、 タイミングを見て落とす方が良いだろう。 期先IVが高い流れなので、通常のカレンダー系は、 今一つやる気が起きない。大外の10CあたりのIVが高いのだが、 これは台湾の石黒が専門だろう。 スカイプで聞いてみた。 「2/14以降もそうだったが、大外callはよほどのことがない限り、 IV20%は売りで良いんじゃないか。」 「勢いが止まると、callのIVは直ぐ落ちますからね。」 「10C105以上は、全部売りでも良さそうだな。 今月、万一9500円を超えてきても、 9Cを絡めれば逃げ切れるんじゃないか。 「今月の可能性は低そうですが... 来月は、FOMCと日銀次第で有り得ますね。」 「日銀が追加緩和しなくても、ここまで強いんだから、 目先は下がらないんだろうな。」 <免責に関して> 当掲載内容には十分注意を払っておりますが、 内容の誤り及び情報に基づいて被ったいかなるトラブル、 損失、損害については、当方は一切の責任を負いません。 ご利用は、自己の責任において行われるものとし、 当方は一切の責任を負いません。 なお、掲載した情報は予告なく変更、中断、中止することがあります。 予めご了承ください。 にほんブログ村
by nkmrnkmr
| 2012-08-10 11:33
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