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「ザ・外こもりトレーダー2013」第4章(2)

第3章「緩和バブルの行方(2)」

6/30に一泊で箱根・仙石原まで行ってきた。
昔は小田急やJRを使ったが、最近は新宿から出ている高速バスを使う。
2時間程度でホテルの近くに着けるし、値段もかなり安い。
今回は、大手不動産系ホテルに泊まったが、日曜日も結構混んでいた。
屋上の温泉は、広くて眺めもよかった。
ゴルフ仲間と思われるオヤジ連中や、品の良い老夫婦、
3世代の家族連れが多いようだ。
夕食はレストランだが、従業員の教育も良く合格だろう。
部屋は30㎡程度のツインルームだったが、2人ならこの程度で十分だ。
ラウンジはセルフサービスでビールサーバーまであった(もちろん有料)。
最近は観光地も競争が激しい。ネットの書き込みサイトも多数存在し、
点数の低いホテル・旅館は敬遠される傾向にあるようだ。
宿泊代は二極化の傾向にある。
一泊1名3万円以上もする高級路線か、1名1万円以下の格安路線か。
部屋に露天風呂が付いて、夕食に高級食材を使うところは、
最低でも1名2万円台後半はする。星野リゾートが代表的だろう。
もちろん、価値観は人によって異なるので、
どちらがどうと評価する気はない。
それぞれが満足すれば、それで良いと思う。
「施設によっては、経営は苦しいだろうな......」
昔は当然だった社員旅行も下火となり、
バブル崩壊で消費者はお金を使わなくなった。
熱海や鬼怒川といった都心近郊の特徴のないホテル・旅館は客が激減、
倒産や身売りが相次いだ。
そこを買収、高級路線に仕立て上げたのが星野であり、
保養施設を相次いで買収したのが三菱商事系の四季倶楽部だ。

四季倶楽部のビジネスモデルは、なかなか面白い。
買収した保養施設を1泊朝食付5250円で提供している。
夕食を頼んでも+3000円程度と安い。
人気のある施設の予約が取れないものうなずける。
以前、仙石原近くに農林中金の保養所があったが、
いつの間にか四季倶楽部に変わっていて、驚いた記憶がある。
企業にしても、週末しか客が来ない保養所はパフォーマンスが悪すぎる。
業績が右上がりの時代なら、土地の値上がり期待も含め、
保有する意味もあったのだろうが、今となってはお荷物でしかない。
「しかし......」星野にしても四季倶楽部にしても、
不動産再生という意味では、業界にプラスの変化をもたらす。
乱立気味のビジネスホテル業界を見ても、スーパーホテル、アパホテル、
ルートイン、東横イン、ドーミーイン(共立メンテナンス系)、
ワシントンホテル(藤田観光系)の拡張が目覚しい。
ネットでもツインで1万円以下はザラであり、
業界規模拡大と共に価格競争も激しくなってきた。
最近ではREITにも、ホテルを取得する動きが拡大した。
稼働率の高いホテルは、REITに高値で売れる可能性があり、
大手チェーンの業績は大きく伸びる余地があるだろう。
東京オリンピックが決まれば、観光客を当て込んだ
湾岸の開発やカジノ解禁も視野に入ってくる。
「レジャー産業も急拡大か......」
例えば、香港で公開したパチンコホール大手ダイナムの時価総額は
1700億円を超えている。将来を見据えてカジノ運営企業にも出資、
日本のカジノ解禁に標準を合わせているようだ。

月曜日の夕方、東京に戻ってきた。
元証券マンの仲原から電話がかかってきた。
「結構、戻ってきたな」
日経平均は13000円台後半まで上昇、14000円も射程圏に入ってきた。
「先物主導の相場はオーバーシュートしやすいから、
 上値目処となると難しいな......」
ドル円が100円を突破すれば、市場心理は一気に変わるかもしれないが、
5月のリスクオンが再現するのかといえば、仲原もやや懐疑的なようだ。
「そういえば、日経オプションのブログ見てるか」
「ああ、たまにね」
「最近、元プロの人達も入ってきたな」
「年代的には、同じくらいだね」
「あの頃は、大証の先物の板をモニターに写して、電話で注文していたな」
「期先は板が薄かったんだよね」
「カレンダーなんて数回やった程度さ」
「EXCELリンク機能も無かったんだろう」
「クイックのOP価格を、EXCELに手で打ち込んでいたよ」
「個人客なんて、ほとんどいなかったんだろう」
「ああ、ほとんどいない。OP買いさえ証拠金積ませた位だから......」
「今は、OP価格は50円以下は1円刻みだし、
 行使価格も125円刻みになるし、便利になったもんだね」
「隔世の感があるな。125円刻みになれば、組み合わせも大きく広がるよ」
「前から聞こうと思っていたが、昔はどんな組み合わせを使ったのかい」
「こっちは株に移動する前は、金利先物や金利オプション専門だったしね。
 SS系しか思い浮かばなかった」
「相場によっては、難しかったんじゃ......」
「ちょうどベアリングの問題が出た時で、自分で設定したロスカットに
 2-3度引っかかったよ。それ以外は、まずまずだったか......」

7/5の金曜日を迎えた。
21:30に発表される6月分の米雇用統計には、世界中が注目していた。
株式市場では、ポルトガルやエジプト問題もクリアして、
戻り高値をうかがう動きとなっていた。
日経平均は14000円代に戻ったが、6月末のドレッシングや
投信絡みの先物買いを指摘する声ももあった。
今や投信は、株式の注文をネットに奪われた証券会社にとって、
外債と並んでドル箱の商品である。アクティブ系ファンドのコストは、
購入時に3%、年間の信託報酬は1.5%程度かかる。
この信託報酬というのが曲者で、信託銀行への僅かなコスト以外は、
投信会社と販売会社(証券、銀行等)で分配される。
販売会社が売れば売る程、販売会社への分配率が上がるものもあり、
そんな商品ほど、販売会社は躍起になって顧客に売り込む。
アベノミクスの成功で、個人客も証券会社に顔を出すようになったが、
「初心者ですが、株を買いたいんです」と言えば、
こんな商品を間違いなく勧められる。
「プロが運用する商品です。今一番売れています」と言われると、
事情に疎い初心者ならば、ほぼ買ってしまうはずだ。
調査によると、日本の信託報酬コストは1.35%と米国の2倍に近い。
もちろん、中にはパフォーマンスで指数に勝つものも存在するが、
大多数は負けているようだ。
「儲かれば客は何も言わないんだが......」
今後の相場を占う意味でも、今回の米雇用統計は重要だった。
発表前、相場はジリジリと14300円台まで上昇していた。
数字が発表されると、一気に14400円台後半まで跳ね上がった。
予想以上の強い内容だった。


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by nkmrnkmr | 2013-07-11 06:26 | オプション小説
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